企業ブランディングの核となるメッセージコピー。
みなさん、こんにちは。
神戸のWebブランディング事務所「Six」(シックス)です。
「ブランディング&コミュニケーション」で、経営戦略として資産価値を高めるための
Webサイト制作(ホームページ制作)・Webデザインを企画から運用までトータルにプロデュースいたします。
《神戸、明石、芦屋、西宮、尼崎、加古川、姫路、加西、西脇、兵庫県各地、京阪神各地、お気軽にご相談下さい!!》
9月も最終週です。早いですね。
9月になると「宣伝会議賞」といって、多くの広告本や講座を開催している出版社主催の1年に1回のコピーの公募が始まります。
課題発表から2ヶ月後が、〆切日ですので、なんだか秋になると「コピーの季節だなぁ〜。」と、もしかしたら一般のかたとは、
ちょっと違った感覚もあったりします(笑)
そんなこんなで勝手に「コピーの季節」ということで、今回は、企業のコピーをご紹介します。
「紙媒体」と「Webサイト(ホームページ)」のライティングの違い。
コピーをご紹介する前に、まず、Webサイトと紙媒体では、ライティングに違いがあることをご紹介します。
◆ 紙媒体は、視認性が高く、一覧性が高い。
◆ Webサイト(ホームページ)は、視認性が低く、一覧性が低い。
紙媒体は、新聞や雑誌、文庫を思い浮かべていただけると大変わかりやすいです。
小さな文字なのに、長時間でも読み続けることが可能です。
さらにパッと一瞬でレイアウトを認識し、重要性やポイントとなる部分を把握をし、気になるところから読み進めたりします。
一方、Webサイト(ホームページ)は、どうでしょうか??
現在、生活者(ユーザー)は、気になる、調べたい情報を検索して、知りたい情報が掲載されていそうなWebサイト(ホームページ)をピックアップして、リンクで表示されたところから読み進めていきます。
調べた情報に関しても、多少は、前後の文章も読まないと、すぐには内容を理解は出来ません。
またレイアウトに関しては、パソコンもスマホも、画面表示、サイズに限りがあります。
掲載されている情報と全体像を一瞬で、理解と判断することは困難です。
マウスやタッチ操作とともに、スクロールしたり、マウスオーバーや、クリックしてリンクで飛んだりすることにより、
Webサイト(ホームページ)に掲載されている情報の全体像をだんだんと把握していきます。
特に、現在は、パソコンの他にスマホの普及率とともにスマホ閲覧も増加しています。
今回iPhone6やiPhone6 Plusが大きくなりましたが、テキスト部分の文字表示は、やはりほんの一部分であることでしょう。
紙媒体とWebサイトの違いを踏まえた上で、Webライティングは、また違ったライティングが必要になってきます。
Webサイトの表現として、Webライティングの条件として、たくさんあるうちの一部をご紹介します。
◆ 文章を簡潔に表現する。一文を出来るだけ、短く表現すること。
◆ 適切な改行で、Webサイト(ホームページ)の見た目に読みやすい環境づくり。
◆ 言葉の表記の統一のルールにのっとって、文章のトーン&マナーを揃えます。
◆ 検索エンジンにかかるキーワードを盛り込んだコンテンツづくり。
他にもたくさん要素があるのですが、Webライティングは、独特の表現方法が存在することを理解しておく必要があります。
Webサイト(ホームページ)のコンテンツづくりの際にも、紙媒体をそのまま使っても良い部分、リライトする部分を検証してみると良いでしょう。
★ Webメディアの特性をふまえ、Webコンテンツ、Webライティングの表現をしましょう。
企業の決意と想いが伝わる「三越伊勢丹」さんのコピー。
ここからは、企業の優れたコピーをご紹介します。
まずは、「三越伊勢丹」さんの企業広告のコピーです。
問いつづける。変わりつづける。
感動と呼べるものまで、
おとどけできているだろうか。
こころ動かすために、
こころ働かせているだろうか。
暮らしのすべてをお手伝いする、
覚悟があるだろうか。
さきがけることこそ使命、
と胸に刻んでいるだろうか。
それを問いつづけるのが、
ほんとうの百貨店。
大胆に変わりつづけるのが、
これからの百貨店。
二〇一三年 三越伊勢丹は、
ためらうことなく、前へ。
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変わる、その先へ。
きのうまでの夢が、きょうは現実になる。
非常識とよばれたアイデアは、
たちまち常識と名を変える。
スペシャルは、あっというまにスタンダードだ。
めくるめく変化の中で、百貨店は、
変わらず感動にあふれているだろうか。
進んで変化をとげているだろうか。
変わらないのは、たったひとつ。
お客様の最高の笑顔のために。
すべてをそそぐことだけ。
毎日、かつてない百貨店になる。
その覚悟はあるか、三井伊勢丹。
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「三越伊勢丹」さんのグループスローガンは、
『向きあって、その先へ。』
です。
Webサイト(ホームページ)の説明にもあるように
“めざすべき未来であり、進化の方向であり、価値創造の目標という意味が込められています。”
百貨店は、時代とともに、かつてのような存在として安穏としている状態では厳しく、統合したり、改革が求められています。
厳しい百貨店業界の中にあって、新しいことにどんどんチャレンジしていくことで、また違った発展と未来があることでしょう。
さまざまなドラマが目に浮かぶ「名古屋鉄道」さんのコピー。
続いて、「名古屋鉄道」さんの企業広告のコピーです。
『名古屋鉄道』
たった
30分でも、
僕たちには、
冒険だった。
みんなで路線図を見ながら、
何度も何度も降りる駅を確認する。
切符を買うだけでもドキドキだった。
電車に乗りこむと、まっさきに先頭車両へ。
視界良好!僕たちの特等席だ。
自分たちだけで、はじめて行く電車の旅。
目的地は近所の公園なんかじゃなく、
自転車ではたどり着けない街。
見たことのない景色に夢中になった。
たった30分の冒険。ぜんぶが宝ものみたいな時間。
遠くへ離れていくほど、
なんだか大人に近づいていく気がした。
ココロをつなぐ、あしたへはこぶ。
名古屋鉄道
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「名古屋鉄道」さんのコミュニケーションスローガン「ココロをつなぐ、あしたへはこぶ。」です。
ポスターの表現として、毎年テーマが決まっており、展開されています。
上部の分は、【第2弾 お客さま編】2013年3月~2014年2月から気に入った分から選んでみました。
よく見ると、ポスターの「キャッチコピー」の部分の周りのデザインは、鉄道を可愛くイラストされたものだったりします。
おそらく一瞬では気づかない部分で、細部にまでこだわるデザインだなと感じます。
さりげなく存在している部分ですが、デザインとは素材ひとつ取りあげてみてもキチンと理由があることを理解いただけるでしょう。
守りたい人がいる。
支えたい暮らしがある。
全員で、全力で。
いつも通勤するビジネスマン、
楽しそうに遊びに出かける家族、
はじめて一人旅をする小学生。
わたしたちは、駅を利用される
どんなお客さまも、笑顔で送り出したい。
そして、帰ってくる一人ひとりを
どんなときも、あたたかく迎えたい。
だからこそ、全員で、全力で。
お客さまの日常に、ほっとできる時間を。
今日もいつもの駅で、お待ちしています。
ココロをつなぐ、あしたへはこぶ。
名古屋鉄道
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【第3弾 社員編】2014年6月~2014年9月の今年は、120周年の節目ということで、働くかたたちの想いを伝えてあります。
安心と安全の鉄道会社として、お客さまのとのつながりを綴ってあります。
社員さんが登場されることで、働く姿勢が、より伝わって来ます。
さまざまな角度からコピーとビジュアル展開で、生活者のかたにゆっくりと鉄道についての理解を深めていただく企業広告です。
『三陽商会』さんの企業理念と100年の新ブランドづくり。
続いて、『三陽商会』さんの企業姿勢を象徴したような取り組みのコピーとWebサイトをご紹介します。
『 100年コート|TIMELESS WORK.ほんとうにいいものをつくろう。SANYO 』
裏地をかえる。
大切なものを
大切にすることが
こうも気持ちがいいとは。
父からもらったとき、
そのコートの裏地はところどころ傷ついていた。
僕はSANYOに相談をした。
もうその生地は生産していない。
けれど提案があります。
僕らはそう言って
たくさんの生地のサンプルを見せてくれた。
ずいぶん前に父が買ったコートなのに
どうしてここまで?僕がそう聞くとその人は笑った。
自分でもよくわかりません。
でもなんだか嬉しいのは確かです。
それを聞いて僕まで嬉しくなった。
100年コート。
それは100年オーナープランがついた特別なコート。
http://www.sanyo-shokai.co.jp/100nencoat/
SANYO
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『三陽商会』さんの『100年コート』の企画は、ご購入の皆様に、末永く使っていただけるように
「『100年コート』100年オーナープラン」として実施されている分です。
打ち上げ花火的なプロモーションではなく、100年という長いスパンを持って、ロングテールの販促展開です。
シリーズ展開されているボティコピーも小さなドラマを見てるようで、とても素敵ですよね。
『三陽商会』さんの企業のストーリーを伝えてある上に、象徴となる商品や企業のサービスもとても表現豊かに伝えてあります。
Webサイト(ホームページ)も特設サイトを展開されています。
全体をやさしいイラストとトーンで表現してあります。
手縫いのステッチのデザインも、「100年コート」のコンセプトを表現してあり、わかりやすいですよね。
同じ価値を共有すること、企業が生活者に寄り添って、育み、末永くおつきあいすることがわかりやすく表現してあります。
企業の姿勢として、また経営戦略の企画としても学ぶことが多く、大変共感する事例です。
企業ブランディングのメッセージとなるコピーについて。
上記のコピーは、企業の理念とミッションを合わせてシリーズとして展開されているボディコピーをご紹介しました。
企業ブランドのメインとなる「フィロソフィー(philosophy)」や「タグライン(tag line)」「スローガン(slogan)は、一度、決められたら少なくとも十数年続きます。
企業の「核」となるコピーです。
ボティコピーは、定期的に伝えていく企業メッセージです。
各企業のシリーズ広告の展開は、企業が生活者に向けて、よりわかりやすく伝えるためでもあります。
これから先、ご自身の企業は、どの方向を目指すのか、企業として、生活者のかたにどう思っていただけると幸せなことを共有出来るのか、社会の中の関わりの中で、企業の使命をどう果たすのかなど、考えていくことは大切です。
企業らしさとアイデンティティ、魅力をゆっくり、じっくりと時間をかけて伝えていくのです。
企業ブランディングは、「認知」と「定着」が、まず必要になります。
企業や商品、サービスが定着するためには、継続性が伴わない限り、叶いません。
「核」となるものをたずさえ、常にPDCAを繰り返しながら、前に進んでいき、成長していかなければなりません。
WebサイトやSNSの管理運営などにも通用し、Webブランディングも継続性が必然条件です。
企業の伝えたいメッセージがコロコロと変わらないことは、ごくごく当たり前の基本的なことです。
企業の方向性を示す礎(いしずえ)となるものです。
ご紹介した企業コピーやその他多くの企業コピーからいろんなことを学んで、糧としていただければと思います。